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省庁交渉

4日の金曜日、参議院議員会館において「放射能からこどもを守ろう関東ネット」の省庁交渉を行った。この団体は茨城県南部・千葉県北西部・埼玉県南東部の放射能汚染地域に住む住民のネットワークで、36団体が加盟している。参加者は40数名であった。放射能NO!ネットワーク取手からは本木と小泉が参加した。官庁からは6名が参加。文部科学省2、復興庁1、環境省2、原子力規制庁1名の職員である。


 復興庁が原発事故子ども・被災者支援法の基本方針案を発表し、国民からパブリックコメントをとった時点での交渉である。私達関東ネットでは、いままで既に6回の省庁交渉を重ねてきているが、なかなか思うようにいかない状況であり、今回こそ納得の行く回答を得たいと思っていた。

 当方の主な要求は以下のとおり。
1.特措法でいう汚染状況重点調査地域は、原発事故子ども・被災者支援法の
  対象地域に含めること
  つまり1Sv/y以上の被ばくを受ける地域を支援対象地域に含めること
2.基本方針の決定にあたっては、市民の意見を反映させるための公聴会を開催し、
  市民との対話・交渉をすすめること
3.関東のホットスポットに住む人にも保養・避難の権利を認めること
4.学校検診に放射線対策を含めること(甲状腺の視診・触診、尿検査等)

 今回はこれまでの交渉と異なり、被災地からの避難者の証言、関東ホットスポットの健康調査・土壌調査のデータなどを示しながら、関東のホットスポットでも支援が必要であることを主張した。

 

事故後流山からさいたま市に避難している方から以下のような発言があった。
 日本国憲法の前文には「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とある。今、汚染されている東葛地域住む人たちには「恐怖」です。引っ越したら経済的な「欠乏」です。憲法に決められている「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」が守られていない状態。日本国憲法は民定憲法で、井上ひさし氏によると国民が政府や権力者に命令する命令書と言われている。私たち国民全員は放射能の恐怖から免れ平和に生きる権利がある。ですからそのために国は手段をつくさなくてはならないと思う。

 復興庁の職員は「まだ、案の段階なので、環境省と調整しながら、この場で頂いた要望についても要望を頂いたということで相談をしていく」と答えているので、以前の水野参事官のように、持ち帰っても放置するのでなく、本当に私達の出した意見を検討に加えてほしいものだ。関東の子どもたちにも避難・保養の権利を認めるよう強く要望した。

 「年間の被曝量1mSvについては、事故前の公衆の被ばく限度が1mSvだったことから定められたはずだが、支援法の基本方針案には盛り込まれていない、見直す考えはないのか」との問いに対し、復興庁の職員は、「避難基準である20mSvを下回る地域について一定の線量を定めるのは困難。20mSvに近い地域を勘案して、それ以外は施策に応じて判断する準対象支援地域とした。」と答えている。何のための1mSvなのか。
 

それに対して、関東ネットの代表は以下のように発言している。
相当な線量とか、準支援対象地域とか、私たちからすると言葉の誤魔化しだ。被ばくした子ども達にどんな影響があるのか、確率とかそういうことでなく、被ばくした事実をちゃんと把握して、本当に健康に影響がないのか、保養の必要性があると思って保養している人達に支援をするなど、当然なって当たり前だと思う。

まさしくそのとおりである。国の責任を全うしてもらいたいと切実に思う。

 

 関東の子どもたちの初期被ばく、放射性ヨウ素による被ばくについては、私達は重要視しているが、官庁の方たちの答弁からは殆ど考慮していないように感じられた。

 常総生協が行った子どもたちの血液検査の結果をもとに、関東の子どもたちの検査結果は福島の子どもたちと共通するものがあるということを説明し、関東の子どもたちにも血液検査が必要であることを主張したが、環境省の職員は、福島でも今のところ異常が有るというような議論はされていないと応えるにとどまった。

 続けて、2月の下村文部科学大臣の「自治体からの要請があれば放射能に対する検診も検討する」との答弁があったが、学校検診についてどこまで進んでいるかを質問した。

 文科省の答弁は、学校検診は12項目あり、そのうち11項目は必ず行うもので、12項目めは、自治体によって必要があれば行うもので、地方交付税で予算措置も行われている。大臣の答弁は、自治体が項目等検討し実施するに当たって制度上の支障があれば環境庁等と連携し協力したいという意味であるとのこと。自治体で有識者を交えてこういう項目は必要ということがあれば学校検診を活用してもらうことに制限はないと言っているので、これを使って、私達が自分の住む自治体に要求することが重要だと思った。

 文科省では各自治体で検診ができると言っているが、実際に自治体に要望したら国からの指示がないと断られた経験をもとに、文科省から「自治体で決定すれば検診項目を増やすことができる」という通達を出すことはできないかと掛け合ったが、通達を出すという明快な答弁は無かった。

 約2時間におよぶ省庁交渉だったが、いずれの項目についても明快な答弁はなかった。これは毎度のことである。それでも少しずつは理解が進んでいるのかもしれないと、一縷の望みを託すしか無い。

 

--

小泉眞理子




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